退職金 概算計算機

基本給連動型の退職金は「退職時の基本給 × 勤続年数別の支給率 × 退職事由係数」で計算します。この計算機は会社の退職金規程の数値を使って税引前の概算を出します。会社の退職金規程がわからない場合は、勤続年数・退職理由・学歴から東京都調査のモデル額を参照できます。

会社の退職金規程の係数で計算する

基本給連動型専用です。規程の数値が分かる欄だけ入力してください。税引前の額面を計算し、税金・加算金・年金分は含めません。

会社の退職金規程にある支給率と退職事由係数をそれぞれ入力します。

退職金の概算額(税引前)

規程の基本給・支給率・係数を入力してください

計算式:基本給 × 勤続年数別の支給率 × 退職事由係数(最後に1円単位で四捨五入)。空欄・負数・計算範囲外の値では結果を表示しません。

支給対象かどうかは判定しません。ポイント制・定額制・中退共・派遣の前払い方式・公務員の退職手当は、下の各方式の説明と公式資料で確認してください。

会社の退職金規程がわからない場合

東京都「令和6年 中小企業の賃金・退職金事情」第8表①の公表値を参照します。都内従業員10〜299人企業の、学校卒業後すぐ入社した人を想定したモデル退職金です。

中小企業の平均的なモデルで、あなたの会社の金額ではありません。支給がある企業の回答に基づき、支給の有無は判定しません。

東京都調査のモデル退職金(税引前・公表値)

勤続年数を1年以上の整数で入力してください。

本ツールは勤続1・3・5・10・15・20・25・30年の公表値を使います。原資料には学歴ごとに30年超の区分もあります。規程がある場合は、規程の係数で計算する経路を使い、自社の計算方式・支給条件を確認してください。出典リンクはページ末尾に掲載しています。

基本給で計算する前に、自社の方式を確認する

退職金の計算方式は会社ごとに異なります。基本給連動型であっても、算定基礎額や勤続期間の数え方は規程で定められます。支給率が「勤続10年で10か月分」なら基本給に10を掛け、さらに勤続10年を掛けることはしません。

計算方式と必要な情報
方式計算の考え方確認するもの
基本給連動型退職時の基本給 × 勤続年数別の支給率 × 退職事由係数算定基礎額・累積支給率・係数。本ツールの対象
ポイント制職務・等級・勤続などで累積したポイント × ポイント単価など個人のポイント記録・単価・減額条項
定額制勤続年数や退職事由ごとの金額表から決定自分に適用される支給額表
中退共掛金月額と納付月数に応じた基本退職金 + 付加退職金共済の納付記録・公式の試算票。基本給を掛ける方式とは別

労働基準法89条3号の2では、常時10人以上の労働者を使用する事業場が退職手当を定める場合、対象労働者の範囲、決定・計算・支払の方法、支払時期を就業規則へ記載することとされています。就業規則と、その一部となる退職金規程を人事担当へ確認してください。この条文は、退職金制度を設けること自体を義務づける規定ではありません。

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入力値と計算結果の読み方

  1. 給与明細と規程を照合し、退職時の算定に使う月額基本給を入力します。
  2. 規程の表から、自分の勤続年数に対応する累積支給率(月数・倍数)を転記します。
  3. 規程が別に定める退職事由係数を入力します。理由別の支給率を既に選んだ場合は係数を1にして、二重減額を避けます。

編集部の仮の計算例:月額基本給25万円、勤続年数別支給率10、退職事由係数0.8なら、25万円 × 10 × 0.8 = 200万円(税引前)。10と0.8は説明用の仮定で、一般的な支給率や公的な基準を示すものではありません。

勤続年数だけで支給率は決まりません。規程が手元にない場合は公表値を参考にし、自社の額を計算する前に規程を取り寄せてください。支給の有無、最低勤続年数、休職期間、個別加算、企業年金、税金はこのツールでは判定・計算しません。結果は最後に1円単位で四捨五入するため、会社指定の端数処理とも照合します。

派遣の退職金は、派遣元の支払い方式から確認する

派遣労働者の同一労働同一賃金には派遣先均等・均衡方式と労使協定方式があります。ここでは厚生労働省の「労使協定イメージ」令和8年度(2026年度)適用版で確認できる、労使協定方式の退職金の扱いを整理します。

退職金制度方式
令和8年度の労使協定イメージp.5では、比較対象の最低勤続年数は自己都合・会社都合とも3年、支給月数は東京都「令和6年 中小企業の賃金・退職金事情」の大学卒の支給率(月数)に、退職手当制度がある企業の割合を掛けた値です。派遣元の制度とこの基準を比較します。適用対象、最低勤続年数、支給率を労使協定と退職金規程で確認します。
前払い方式
比較基準の一般退職金は「一般基本給・賞与等 × 5%」(1円未満切り上げ)です。退職金相当分を賃金とともに支払います。毎月の給与等に含めて支払い済みの場合、退職時の一時金として重ねて計算しないよう、労使協定と明細の内訳を照合します。
中退共等への加入方式
こちらも比較基準は「一般基本給・賞与等 × 5%」(1円未満切り上げ)です。共済等の制度に加入して掛金を拠出します。退職時基本給ではなく加入期間・掛金の記録と制度の給付表で確認します。

この5%は令和8年度通達(職発0825第1号・令和7年8月25日、第2の3)で確認した比較基準です。令和9年度通達(職発0828第5号・令和8年8月28日、2027年4月適用)も同じ5%です。本人の時給そのものに掛ける割合ではなく、通達に従って求めた一般基本給・賞与等に掛けます。

派遣先での就業期間だけから退職金は計算できません。雇用主である派遣元へ、採用している方式、勤続の通算、前払い額または掛金の明細を確認してください。一般賃金の退職金相当割合を本人の時給へ一律に掛ける試算は、この計算機では行いません。

公務員の退職手当はこの計算機の対象外

人事院の公表資料(令和4年4月、p.14)では、国家公務員の退職手当は「基本額(退職日の俸給月額 × 退職事由別・勤続年数別支給率 × 調整率)+調整額」という構造です。本ツールには調整額等の入力がないため、総額を再現できません。現在の適用支給率や在職期間の扱いは所属先へ、地方公務員は所属自治体の条例・担当窓口へ確認してください。

退職金の税金:額面から手取りを考える

国税庁 タックスアンサー1420(2026年10月11日確認)に沿って、一般の退職手当の計算を整理します。上の計算機の結果は額面です。退職所得控除は支給額への上乗せではなく、課税対象を求めるために差し引く額です。

退職所得控除の原則
勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 年数。計算額が80万円未満なら80万円
20年超800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)

課税対象となる退職所得は、原則として(退職金の収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2で求め、退職金が控除額以下なら0です。控除の勤続年数は1年未満を切り上げます。勤続5年以下の短期退職手当等では控除後300万円を超える部分、特定役員退職手当等では控除後の金額に2分の1計算が適用されないなど、例外があります。過去・同年の退職金等との控除調整も含め、個別の税額は国税庁の案内で確認してください。

編集部の仮の計算例:一般の退職手当を勤続22年で1,000万円受け取るなら、原則の控除は940万円、退職所得は(1,000万円 − 940万円)× 1/2 = 30万円です。この30万円は税額ではありません。過去・同年の別の退職金等による調整がない前提です。

「退職所得の受給に関する申告書」が未提出だと、控除後の金額ではなく、退職金の支払金額から20.42%が所得税・復興特別所得税として源泉徴収されます。2027年(令和9年)以後は防衛特別所得税を含む合計で同じ20.42%となり、源泉徴収税額の計算方法は変わりません。最終的な税額は本人の確定申告で精算するため、支給前に勤務先へ提出状況を確認してください。

相場との比較・金額が違うときの相談

勤続年数別の公的統計は、1〜2年、3〜5年、6〜10年、11〜20年、20年以上で、調査対象と退職事由を分けて確認できます。

規程に基づく退職金の未払いは労基署へ、金額を争う請求・交渉は弁護士型へ相談し、退職金が少ない・もらえない場合の確認手順で資料を整理してください。

意思の伝達を担う民間型、団体交渉を行う労働組合型、法的交渉・請求に対応する弁護士型の違いは、運営形態の解説にまとめています。

参考にした公的情報

本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。