退職代行の運営形態(弁護士/労働組合/民間)の違いと選び方
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弁護士型・労働組合型・民間型は何が違う?
違いは「会社と交渉できる範囲」です。民間型は退職の意思を伝えるまで、労働組合型は退職日や有給などを会社と交渉でき、弁護士型は未払い賃金や損害賠償の請求・反論、裁判まで対応できます。 交渉が要らなければ民間型、退職日や有給でもめそうなら労働組合型、お金の請求や法的なトラブルがあれば弁護士型が目安です。
| 形態 | 交渉できる根拠 | 任せられること | 任せられないこと | 基本料金(当サイト確認) |
|---|---|---|---|---|
| 民間型 | なし(意思の伝達のみ) | 退職の意思の伝達、事務連絡の取次ぎ | 退職日・有給・金銭の交渉 | 15,000〜27,000円 |
| 労働組合型 | 労働組合法6条の交渉権限 | 伝達に加え、退職日・有給・未払い給与などの交渉 | 裁判の代理、損害賠償訴訟への対応 | 19,800〜21,800円(組合費1,000円が別にかかる場合あり) |
| 弁護士型 | 弁護士法による法律事務 | 交渉、未払い賃金の請求、損害賠償への反論、裁判 | 特になし(費用はプランと成功報酬で増える) | 22,000〜43,800円(入口のプラン) |
料金は、当サイトが2026年10月9日に各社の公式サイトで確認した13社の基本料金(入口のプラン)です。公式サイト内で表記が食い違っていた2社(弁護士法人川越みずほ法律会計、退職代行SARABA)は範囲の計算から外しています。退職代行Jobsは、当サイトでは民間型(弁護士監修・交渉は提携労働組合への加入で対応)として扱っています。最新の料金は各社の公式サイトで確認してください。
交渉できる範囲の違い
退職代行で問題になりやすいのは、「会社に何かを求める」場面です。民間型ができるのは伝えるところまでで、会社が条件を出してきたら、それに応じて話し合うことはできません。弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事件について代理や和解などの法律事務を扱うことは原則として禁止されているためです(弁護士法72条)。
| やりたいこと | 民間型 | 労働組合型 | 弁護士型 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思を伝える | ○ | ○ | ○ |
| 離職票・源泉徴収票などの送付を求める | 依頼を伝えるのみ | ○ | ○ |
| 退職日を調整する | × | ○ | ○ |
| 有給の取得を求める | × | ○ | ○ |
| 未払い給与・残業代を求める | × | 交渉は可 | 請求・回収まで可 |
| 「損害賠償を請求する」と言われた | × | 訴訟への対応は不可 | 反論・訴訟対応まで可 |
| 労働審判・裁判 | × | × | ○ |
労働組合は、組合員のために使用者と交渉する権限を持ち(労働組合法6条)、会社が正当な理由なく団体交渉を拒むことは不当労働行為として禁止されています(同7条)。ただし、裁判の代理は原則として弁護士の仕事です。例として退職代行SARABAは、労働組合として会社と交渉する一方、裁判の代理人にはなれないことを公式サイトで明記しています(2026年10月9日確認)。
費用の違いと、基本料金以外にかかるもの
基本料金だけを見ると、3形態の価格帯は重なっています。差が出るのは追加費用です。2026年10月9日に公式サイトで確認した例は次のとおりです。
- 民間型:退職代行EXITは15,000円(税込)・追加料金なしと表示しています。交渉は行わず、退職の通知・連絡に徹すると説明しています。
- 労働組合型:退職代行ガーディアンは支払い総額19,800円(加入費・組合費)。男の退職代行・わたしNEXTは、社員等で21,800円に組合費1,000円が加わります。退職代行OITOMAは20,000円で、後払いを選ぶと手数料9,000円がかかります。
- 弁護士型:フォーゲル綜合法律事務所は22,000円・25,000円・55,000円の3プラン(税込)。退職110番は基本43,800円(税込・内容証明郵便込み)で、金銭回収の報酬20%、労働審判25%、裁判30%(各税別)です。
申込み前に、①基本料金に何が含まれるか、②組合費・後払い手数料の有無、③成功報酬の率、④追加で交渉が必要になったときの費用、の4点を書面で確認しておくと、後から総額が膨らむことを避けられます。サービスごとの料金は退職代行サービス一覧で比べられます。
依頼する前に、2社の条件を比べる
紹介する順番には、提携先(広告)を優先する場合があります。対応範囲と必要な手続きを確認して選びます。編集方針
| 相談先 / 運営形態 | 料金目安・追加費用 | 対応範囲 / 後払い |
|---|---|---|
| 退職代行ガーディアン 労働組合型 公式で条件を見る ↗ | 19,800円〜 支払い総額19,800円(加入費・組合費)。公式には組合費に消費税はかからず、表示額以外の税は加算されないと記載。 | 東京労働経済組合が運営。退職日・有給休暇・未払い給与・退職書類などの交渉。 後払い:公式で要確認 |
| 弁護士法人ガイア総合法律事務所 弁護士型 公式で条件を見る ↗ | 25,300円〜 25,300円は退職を伝えるのみのプラン(公務員・業務委託・役員は対象外)。55,000円・77,000円プランも掲載。未払い給与・残業代請求の成功報酬20〜30%。税込・税別は公式で要確認。 | 退職通知、有給消化、離職票等の取り寄せ、残業代・退職金請求の案内。対応範囲はプラン別。 後払い:公式で要確認 |
2026-10-09に確認した掲載データに基づきます。料金・追加費用・税の扱い・利用条件は各社で異なります。すべての相談先を見る →
「弁護士監修」「労働組合と提携」は運営とは違う
サイトに「弁護士監修」「労働組合と提携」とあっても、その業者自身が交渉できるとは限りません。運営しているのが民間企業なら、交渉が必要になった時点で別の手続が要ることがあります。
例として退職代行Jobsは、弁護士監修の連絡代行で、交渉が必要な場合は提携する労働組合への加入が必要と案内しています。基本27,000円に対し、申込み時に組合へ同時加入すると計29,000円、後から加入すると計31,000円です(2026年10月9日確認)。
民間の業者が利用者を弁護士に紹介し、報酬を受け取る形は、それ自体が罪に問われることがあります。2026年8月には、退職代行モームリの運営会社と前社長に、報酬目的で弁護士に業務を紹介したことなどをめぐる一審の有罪判決が出たと報じられています。経緯はモームリ事件の判決まとめで確認できます。
状況別の選び方
最初に、会社へ自分で連絡できそうかを考えます。会社に退職の意思を伝えるだけでもつらい状態なら、代行を使う意味があります。そのうえで、会社と交渉が必要な事柄があるかどうかで形態を選びます。
| あなたの状況 | 選ぶ形態の目安 |
|---|---|
| 会社に伝えてもらえれば十分。有給は使い切った/残っていない | 民間型 |
| 有給が残っていて、退職日までに消化したい | 労働組合型 |
| 「後任が決まるまで辞めさせない」と言われていて、退職日でもめそう | 労働組合型 |
| 未払いの残業代を請求したい | 弁護士型(交渉だけなら労働組合型も可) |
| 「損害賠償を請求する」と言われている/会社の物を壊した・持ち出した心当たりがある | 弁護士型 |
| ハラスメントの慰謝料を請求したい | 弁護士型 |
| 公務員 | 弁護士型、または自分で手続 |
公務員の場合
一般職の地方公務員には、原則として労働組合法が適用されません(地方公務員法58条。地方公営企業の職員などは例外)。一般職の国家公務員も、国家公務員法の附則で労働組合法の適用が除外されています。そのため、労働組合型のように「組合として交渉する」仕組みが使えません。身分ごとの手続の違いは公務員の退職代行ガイドで確認できます。
申し込む前に確認する5項目
どの形態を選ぶ場合も、契約前に次の5点を確認します。
- 運営しているのは誰か(法律事務所・弁護士法人/労働組合/株式会社など)。事業者名と所在地が公式サイトに書かれているか。
- 自分のケースで、会社と交渉するのは誰か。交渉が必要になったときに追加の加入や費用がかかるか。
- 支払い総額(基本料金・組合費・後払い手数料・成功報酬)と、税込かどうか。
- 会社から本人に連絡が来たとき、何日間・どの方法で対応してもらえるか。
- 退職できなかった場合や、依頼をやめた場合の返金条件。
自分で進める場合の注意点
代行を使わず自分で退職を伝えることもできます。期間の定めのない雇用では、退職の申入れから2週間で雇用が終わるとされています(民法627条1項)。自分で進めるときは、次の点に注意します。
- 退職の意思は、日付が残るメールや書面で伝える。口頭だけだと、伝えた日をめぐって争いになりやすい。
- 有給を使うなら、使う日を指定して申請する。
- 会社と退職日や未払いでもめたら、総合労働相談コーナー(予約不要・無料)に相談できる。労働基準監督署との使い分けは退職代行と労働基準監督署の違いで確認できます。
参考にした公的情報
本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。
- 弁護士法72条 非弁護士による法律事務の取扱い等の禁止。
- 労働組合法6条・7条 労働組合の交渉権限、不当労働行為(団体交渉の拒否など)。
- 地方公務員法58条 労働組合法等の適用除外。
- 国家公務員法 附則で労働組合法等の適用を除外。
- 民法627条 期間の定めのない雇用の解約の申入れ。
- 総合労働相談コーナー(厚生労働省) 予約不要・無料の労働相談窓口。
弁護士型
退職の連絡に加え、未払い賃金の請求や損害賠償への対応を相談。依頼するプランと受任範囲を確認します。
労働組合型
組合による団体交渉を相談。加入費用と交渉担当を確認します。提携型はサービス会社と組合の役割も確認します。
民間型
退職意思の伝達を依頼。法律上の交渉が必要なら、弁護士や労働組合への相談を検討します。
よくある質問
Q.民間型に頼んだあとで、有給の交渉が必要になったらどうなりますか?
Q.労働組合型に依頼すると、その組合の組合員になるのですか?
Q.料金に大きな差がないなら、民間型を選ぶ理由はありますか?
Q.形態によって、退職できるかどうかは変わりますか?
Q.退職したあとで未払いの残業代に気づいたら、どこに頼めばよいですか?
まとめ
3つの形態の違いは、会社と交渉できる範囲です。民間型は退職の意思を伝えるまで、労働組合型は退職日や有給を交渉でき、弁護士型は未払い賃金や損害賠償の請求・反論、裁判まで対応できます。基本料金は3形態で重なっており、料金より「何を任せたいか」で選びます。
GUIDE 01 / 仕組み・運営形態と選び方
この記事のテーマ
次の一手
退職代行を検討するときの相談先
紹介する順番には、提携先(広告)を優先する場合があります。対応範囲と必要な手続きを確認して選びます。編集方針
労働組合型
退職代行ガーディアン
料金目安
19,800円〜
支払い総額19,800円(加入費・組合費)。公式には組合費に消費税はかからず、表示額以外の税は加算されないと記載。
- 対応範囲
- 東京労働経済組合が運営。退職日・有給休暇・未払い給与・退職書類などの交渉。
- 後払い
- 公式で要確認
2026-10-09に確認した掲載データに基づきます。料金・追加費用・税の扱い・利用条件は各社で異なります。すべての相談先を見る →
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