職場いじめの対処法と退職を考えるときの相談先
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職場いじめはどう対処し、どこに相談する?
集団での無視や、嫌がらせで仕事を回さないことは、厚生労働省のパワハラ指針で該当例に挙げられています。日付ごとに記録を残し、会社の相談窓口へ、動かなければ都道府県労働局に相談してください。 辞めるかどうかは、相談の結果を見てから決めても遅くありません。
- 今日から、無視・仲間外れ・外された仕事を1件ずつ記録する。
- 加害者以外の上司、人事、社内の相談窓口に伝え、希望する対応を具体的に頼む。
- 改善されなければ、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)か総合労働相談コーナーに相談する。
- 辞める場合は、記録・有給・貸与品をそろえてから退職を伝える。
ハラスメント全体の進め方はハラスメント退職ガイドにまとめています。
無視や仲間外れもパワハラに当たる?
同僚からのいじめでも当たり得ます。 パワハラ指針は「優越的な関係」に、上司からの言動だけでなく「同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの」を含めています。職場いじめでよくある形と、指針の類型の対応は次のとおりです。
| 職場でのいじめ | 指針の類型 | 指針が挙げる該当例 |
|---|---|---|
| 挨拶を返されない、話しかけても無視される、自分だけ孤立させられる | 人間関係からの切り離し | 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること |
| 担当を外される、自分だけ仕事が回ってこない | 過小な要求 | 気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと |
| 全員が見るチャットやメールで能力を否定される | 精神的な攻撃 | 相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること |
| 病歴などを本人の了解なく言いふらされる | 個の侵害 | 病歴などの機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること |
該当するかどうかは、言動の目的や経緯などを踏まえて個別に判断されます。表に当てはまらなくても、相談はできます。根拠:厚生労働省「パワハラ指針」(令和8年10月1日適用)
記録の残し方:「されなかったこと」を残す
無視や仲間外れは、暴言と違って「何かをされた」証拠が残りにくいのが特徴です。届かなかった連絡、呼ばれなかった会議、回ってこなかった仕事を、確認できる形で残します。
- 会議の招集メールやチャットのグループで、自分だけ宛先にない画面を保存する。
- 共有フォルダやシステムの権限を外されたら、そのエラー画面と日付を残す。
- 挨拶や質問を無視された場面は、その日のうちに時刻・相手・その場にいた人をメモする。
- 業務への影響(締切に間に合わなかった、上司に注意された など)を同じメモに書く。
- 眠れない、食欲が落ちたなど体調の変化と、受診した日も書く。
メモの書き方の例(編集部作成):
10月6日 9:30 朝会の招集メールが自分にだけ届かず、出席できなかった。宛先一覧の画面を保存。午後、課長から欠席を注意された。
顧客情報や社外秘の資料を私物の端末に送るのは避け、自分が写っている画面や宛先の一覧にとどめます。
社内外の相談先と選び方
相談先は、誰がいじめに加わっているかで選びます。
| いまの状況 | 最初の相談先 | そこで頼むこと |
|---|---|---|
| 加害者は同僚で、上司や人事は信頼できる | 上司・人事・社内の相談窓口 | 席や担当の変更、業務連絡を上司経由にする、加害者との接触を減らす |
| 上司も加わっている、窓口が動かない | 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) | 会社への助言・指導・勧告、調停の申請 |
| どこに話せばいいか分からない | 総合労働相談コーナー | 状況の整理と、相談先の案内(予約不要・無料) |
| 慰謝料を求めたい | 弁護士 | 請求の見通し、会社との交渉 |
| 眠れない、出勤前に体調が崩れる | 医療機関、こころの耳電話相談 | 体調の確認。退職を決める前でも受診してよい |
| 消えたい・死にたいと感じる | #いのちSOS(0120-061-338、24時間365日)、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間) | 記録や相談より先に、まず話す |
| いじめで心身を病み、通院している | 労働基準監督署 | 労災の請求。精神障害の労災認定基準は「同僚等から、暴行又はひどいいじめ・嫌がらせを受けた」を出来事に挙げている(厚生労働省の認定基準) |
事業主には、パワハラの相談に応じる体制を整えるなどの措置義務があります(労働施策総合推進法31条)。会社との間でこじれた場合は、労働局長に助言・指導・勧告(同36条)を求めたり、調停(同37条)を申請したりできます。総合労働相談コーナーは、いじめ・嫌がらせやパワハラを含む労働問題全般の相談を受けています(厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」)。
厚生労働省の「こころの耳電話相談」(0120-565-455)は、平日17時〜22時(受付は21時50分まで)、土日10時〜16時(受付は15時50分まで)に受け付けています(祝日・振替休日・年末年始を除く。こころの耳で2026年10月10日に確認)。
退職前の確認
辞めると決めたら、退職を伝える前に次の5点をそろえます。
- 離職理由の扱い:ハローワークは、「上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者」を特定受給資格者の範囲に含めています。該当すれば、離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給資格を満たし得ます(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」)。
- 給付制限:正当な理由のない自己都合退職では、2025年4月1日以降の退職は原則1か月、基本手当が支給されない期間があります(厚生労働省)。いじめが理由の離職と認められるかで扱いが変わるため、記録を手続きに持参します。
- 有給の残日数:給与明細や勤怠システムで確認し、退職日までに使う日を決める(労働基準法39条)。
- 貸与品と私物:社員証、鍵、パソコンなど返す物の一覧を作る。
- 退職日:期間の定めのない雇用なら、退職の申入れから2週間で雇用は終わるとされています(民法627条1項)。
失業給付の手続きの流れは失業保険を受給する流れで確認できます。
退職理由の伝え方
退職理由を口頭で詳しく説明する必要はありません。ただ、退職届の書き方は会社とのやり取りの記録として残ります。いじめが理由だと残しておきたい場合は、事実を短く書く方法があります。
文例(編集部作成):
〇年〇月以降、業務連絡や会議の招集から外される状態が続き、社内窓口に相談しましたが改善されなかったため、〇年〇月〇日付で退職いたします。
面談で理由を問われたら、「書面に書いたとおりです」と答えてかまいません。加害者の名前を挙げるかどうかも、自分で決めてよいことです。
引き止められた場合の対応
いじめが理由の退職では、引き止めの言葉が「いじめを軽く扱う」形になりがちです。よくある言葉と返し方の例(編集部作成)です。
| 言われたこと | 返し方の例 |
|---|---|
| 「気にしすぎだよ。もう少し様子を見たら」 | 「〇月から記録しており、窓口にも相談しました。〇月〇日付で退職します」 |
| 「配置を変えるから残ってほしい」 | 残る余地があるなら「異動先と時期を書面でいただけますか」と確認する。ないなら希望日を変えない |
| 「後任が決まるまでは辞められない」 | 「引き継ぎ資料は〇日までに用意します。退職日は〇月〇日でお願いします」 |
配置換えで加害者と離れられるなら、残る選択を考えてもかまいません。その場合は、時期と内容を書面でもらいます。引き止めへの対処は引き止められたときの対処法でも扱っています。
退職代行の使い方と、弁護士型を選ぶとき
加害者や上司と話すこと自体がつらいなら、退職の連絡を退職代行に任せられます。依頼するときは、次のことを伝えます。
- 退職希望日と、有給を使う日数
- 加害者から本人へ連絡しないよう会社に伝えてほしいこと
- 貸与品の返し方と、離職票・源泉徴収票の送付先
- 離職票の離職理由について、いじめが理由だと伝えてほしいかどうか
形態は、会社に求めることで選びます。伝えるだけなら民間型、有給消化や退職日を調整したいなら労働組合型です。慰謝料を求めたい、会社から「急に辞めるなら損害賠償」と言われている、離職理由で争いになりそうなときは、法律事務を扱える弁護士型を選びます(弁護士法72条)。
会社連絡への備え
- 会社からの電話に出るかどうかは自分で決めてかまいません。着信の日時は記録し、退職代行に頼んだ場合は依頼先へ伝えます。
- 加害者本人から私的なLINEなどが届いたら、返信せずに画面を保存し、相談先に見せます。
- 離職票は、会社が資格喪失届と離職証明書をハローワークに出した後に交付されます。会社の届出期限は、資格喪失日(退職日の翌日)の翌日から起算して10日以内です(雇用保険法施行規則7条)。届かないときはハローワークに相談します。
参考にした公的情報
本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。
- 厚生労働省:パワハラ指針(令和8年10月1日適用) 人間関係からの切り離し・過小な要求などの類型と該当例。
- 労働施策総合推進法31条・36条・37条(e-Gov法令検索) 措置義務と、労働局の助言・指導・勧告、調停。
弁護士型
退職の連絡に加え、未払い賃金の請求や損害賠償への対応を相談。依頼するプランと受任範囲を確認します。
労働組合型
組合による団体交渉を相談。加入費用と交渉担当を確認します。提携型はサービス会社と組合の役割も確認します。
民間型
退職意思の伝達を依頼。法律上の交渉が必要なら、弁護士や労働組合への相談を検討します。
よくある質問
Q.部署のほぼ全員から無視されています。記録には誰の名前を書けばいいですか?
Q.社内窓口に相談したら、かえっていじめがひどくなりました。どうすればいいですか?
Q.派遣社員です。派遣先でのいじめは、どこに相談すればいいですか?
Q.証拠が自分のメモしかありません。ハローワークで特定受給資格者と認めてもらえますか?
まとめ
集団での無視や、嫌がらせで仕事を回さないことは、厚生労働省のパワハラ指針で該当例に挙げられています。まず記録を残し、会社の相談窓口へ、動かなければ都道府県労働局へ相談します。辞める場合は、いじめが理由の離職が失業給付で特定受給資格者と判断される可能性があるため、記録をそろえてから退職を伝えます。
GUIDE 01 / ハラスメントの記録・相談
この記事のテーマ
次の一手
自分で伝えられない場合の選択肢
紹介する順番には、提携先(広告)を優先する場合があります。対応範囲と必要な手続きを確認して選びます。編集方針
弁護士型
フォーゲル綜合法律事務所
料金目安
22,000円〜
ライト22,000円、スタンダード25,000円、あんしんプラス55,000円(税込)。ライトは引継ぎ連絡を本人が行う。出張・裁判等は別途相談。
- 対応範囲
- 弁護士による退職通知・必要書類の請求。ライトでは会社からの連絡を60日間対応。
- 後払い
- あり(審査あり)。2回分割も案内。
弁護士型
退職110番
料金目安
43,800円〜
基本43,800円(税込・内容証明郵便込み)。金銭回収の報酬20%、労働審判25%、裁判30%(各税別)。審判・裁判は期日ごと2万円(税別)の記載あり。
- 対応範囲
- 有給取得、未払金請求、社宅・借入金返済等の交渉。個別費用は見積もり。
- 後払い
- 公式で要確認
2026-10-09に確認した掲載データに基づきます。料金・追加費用・税の扱い・利用条件は各社で異なります。すべての相談先を見る →
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