退職代行とパワハラ・ハラスメント退職ガイド|証拠と相談先の整理
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ハラスメントで辞めるとき、何から始める?
辞めると伝える前に被害の記録を残し、会社の窓口か都道府県労働局に相談したうえで、退職の連絡を自分でするか退職代行に任せるかを決めます。 先に退職を伝えると、社内のメールやチャットを見られなくなるためです。
- 記録する:いまある証拠を保存し、今日から出来事を1件ずつメモする。
- 相談する:会社の相談窓口や人事に伝える。対応されなければ都道府県労働局へ。
- 連絡の担い手を決める:自分で書面を送るか、退職代行に任せるかを選ぶ。
- 請求するかを決める:慰謝料や未払い賃金を求めるなら、退職前後に弁護士へ相談する。
パワハラかどうか自分で判定できなくても、相談は始められます。厚生労働省の指針は、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③就業環境が害されるもの、をパワハラとしています。
証拠の残し方
退職を伝える前に、次の表の順で集めます。
| 証拠 | 残し方 | 注意すること |
|---|---|---|
| 出来事のメモ | 日時・場所・相手・言われたこと・同席者・その後の業務や体調への影響を、その日のうちに書く | 後からまとめて書いた分は、書いた日も添える |
| メール・チャット | 送信者と日時が写る形で画面を保存する | 顧客情報や社外秘の資料を私物端末へ送らない。就業規則の情報管理ルールを確認する |
| 録音 | 自分が参加している面談や電話を録音し、録音日時をメモに書く | 証拠としての扱いは事案ごとに違うため、使い方は弁護士に確認する |
| 診断書・通院記録 | 受診した日と医師に伝えた内容を残す | 会社に出すかどうかは別に決めてよい |
| 会社へ相談した記録 | 相談した日、相手、回答をメモし、メールで送ったものは保存する | 口頭の回答は確認メールを送って残す |
眠れない、消えたいと感じるときは、こころの耳電話相談(0120-565-455)や、24時間受け付けの#いのちSOS(0120-061-338)にも相談できます。
集め方の細かな手順はパワハラ証拠の取り方で扱っています。
相談窓口:どこに何を相談する?
2026年10月1日に改正法が施行され、ハラスメント対策の条文番号が変わりました(下表は施行後の番号)。
| 相談先 | 相談できること | 根拠・特徴 |
|---|---|---|
| 会社の相談窓口・人事 | 事実の確認、加害者との席や担当の分離、再発防止 | 事業主には、パワハラ(労働施策総合推進法31条)、セクハラ(男女雇用機会均等法11条)、妊娠・出産等(均等法15条)、育休など制度の利用(育児・介護休業法25条)について、相談に応じる体制づくりなどの措置義務がある |
| 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) | 会社が対応しないときの相談、会社への助言・指導 | パワハラ・カスハラの紛争は、労働局長による助言・指導・勧告(同法36条)と調停(同37条)で扱い、個別労働紛争解決促進法のあっせんの対象から外れる(同35条) |
| 総合労働相談コーナー | いじめ・嫌がらせ、パワハラを含む労働問題全般 | 労働局や労働基準監督署の中にあり、予約不要・無料。土日祝日・年末年始は閉庁 |
| 弁護士 | 慰謝料などの請求、会社との交渉、訴訟 | 請求の見通しから相談できる |
出典:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」、総合労働相談コーナーのご案内。公務員は、労働局の助言・指導・勧告と調停の規定が適用されない(労働施策総合推進法48条)など、相談先が民間と異なります。
会社連絡の避け方
加害者と話さずに辞めるには、連絡の宛先と手段を自分で決めて、書面で先に伝えるのが基本です。
- 退職届を加害者ではなく人事部や代表者宛てにし、配達の記録が残る方法で郵送する。
- 会社からの電話に出るかどうかは自分で決めてかまいません。出ない場合は着信の日時を記録し、要件をメールで送ってもらうよう書面で頼む。
- 貸与品は郵送で返し、私物は送ってもらうよう依頼する。離職票や源泉徴収票の送付先も書いておく。
退職届に書き添える文の例(編集部作成):
退職に関するご連絡は、人事部の〇〇様からメールでいただけますようお願いいたします。貸与品は〇月〇日までに郵送で返却します。
退職後も連絡が続く場合の対処は会社から連絡が来る場合の対処にまとめています。
民間型・労働組合型・弁護士型の使い分け
自分で書面を送るのもつらいときは、退職代行に連絡を任せられます。ハラスメントが絡むときは、会社に何を求めるかで形態を選びます。
| 求めること | 向く形態 | 理由 |
|---|---|---|
| 辞める意思を伝えて、連絡を断ちたいだけ | 民間型 | 意思の伝達が中心。退職日や有給の交渉はできない |
| 有給の消化や退職日を調整したい | 労働組合型 | 労働組合として会社と団体交渉ができ、会社は正当な理由なく団体交渉を拒めない(労働組合法7条2号) |
| 慰謝料・未払い賃金を請求したい、会社から損害賠償を言われている | 弁護士型 | 報酬を得て法律事務を扱うことは、弁護士・弁護士法人以外には原則として禁止されている(弁護士法72条) |
弁護士でない業者による法律事件の周旋は72条で、弁護士がその周旋を受けることは27条で、原則として禁止されています。「交渉は提携弁護士に回す」という民間型より、弁護士に直接依頼する形を選びます。形態ごとの違いは運営形態の違いで比べられます。
参考にした公的情報
本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。
- 厚生労働省:パワハラ指針(令和8年10月1日適用) パワハラの3要素と、該当する例・しない例。
- 民法724条・724条の2(e-Gov法令検索) 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効。
ハラスメント別クラスタ記事一覧
パワハラで悩んでいる方は、パワハラの相談窓口、パワハラ証拠の取り方、パワハラの対処法、パワハラを訴える流れ を確認してください。
職場の人間関係やいじめがつらい方は、職場いじめの対処法、仕事の人間関係で辞める前に、同期・同僚との関係がつらくて辞めたいあなたへ が近いです。
セクハラやモラハラが絡む場合は、セクハラを相談したいときの窓口、上司のモラハラへの対処 を読んでください。
退職後や復職が怖い方は、復職・復帰が怖いあなたへ、退職後に元上司から連絡が来てつらいあなたへ、結婚・出産・育児を機にハラスメント職場を辞めたいあなたへ を確認してください。
よくある質問
Q.会社の相談窓口に話すと、加害者に筒抜けになりませんか?
Q.慰謝料を請求するかどうかは、辞めた後に決めてもかまいませんか?
Q.加害者から私的なLINEやSNSで連絡が来たら、ブロックしてもいいですか?
まとめ
ハラスメントで辞めるときは、①被害を記録する、②会社の窓口か都道府県労働局に相談する、③退職の連絡を誰が担うか決める、の順で進めます。伝えるだけなら民間型、退職日や有給の調整が要るなら労働組合型、慰謝料などの請求や反論が要るなら弁護士型が候補です。
GUIDE 01 / ハラスメントの記録・相談
この記事のテーマ
次の一手
自分で伝えられない場合の選択肢
紹介する順番には、提携先(広告)を優先する場合があります。対応範囲と必要な手続きを確認して選びます。編集方針
弁護士型
フォーゲル綜合法律事務所
料金目安
22,000円〜
ライト22,000円、スタンダード25,000円、あんしんプラス55,000円(税込)。ライトは引継ぎ連絡を本人が行う。出張・裁判等は別途相談。
- 対応範囲
- 弁護士による退職通知・必要書類の請求。ライトでは会社からの連絡を60日間対応。
- 後払い
- あり(審査あり)。2回分割も案内。
弁護士型
退職110番
料金目安
43,800円〜
基本43,800円(税込・内容証明郵便込み)。金銭回収の報酬20%、労働審判25%、裁判30%(各税別)。審判・裁判は期日ごと2万円(税別)の記載あり。
- 対応範囲
- 有給取得、未払金請求、社宅・借入金返済等の交渉。個別費用は見積もり。
- 後払い
- 公式で要確認
2026-10-09に確認した掲載データに基づきます。料金・追加費用・税の扱い・利用条件は各社で異なります。すべての相談先を見る →
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