退職代行後に会社から連絡が来たら?電話・LINEへの対応
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退職代行後の会社からの電話・LINEには出るべき?
出るかどうかは自分で決めてかまいません。出ない場合も放置はせず、着信とメッセージを保存して代行業者に転送し、会社へ「今後の連絡は代行窓口へ」と伝えてもらいます。 貸与品の返し方や書類の送付先といった事務的な質問は、代行経由で答えれば足りることが多いです。「損害賠償」「懲戒」などの言葉があれば、自分で返信せず保存して、弁護士や労働相談窓口に相談します。
会社が本人に連絡してくる5つの理由
会社からの連絡は、引き止めだけが目的とは限りません。理由が分かると、出ずに済むかどうかを判断しやすくなります。
- 事務の確認:貸与品の返却方法、ロッカーの私物、最終給与の振込先、書類の送付先を確かめたい。
- 本人の意思の確認:第三者からの連絡が本当に本人の意思なのか、退職日はいつなのかを確かめたい。
- 引き止め・説得:人手が足りない、引き継ぎが終わっていないなどの理由で考え直してほしい。
- 代行業者の相手をしない方針:東京商工リサーチの記事(2026年8月28日)は、同社が2026年4月に行った企業アンケートで、弁護士や労働組合以外の業者から連絡があっても取り合わないと答えた企業が3割(30.4%)だったと伝えています(東京商工リサーチ)。民間型に依頼すると、会社が本人に直接連絡してくる場合があるということです。会社が代行を相手にしない場合は、退職届を内容証明郵便など記録の残る方法で自分で送るか、交渉権限のある労働組合型・弁護士型に切り替えます。
- 安否の確認:急に出社しなくなったため、事故や体調不良を心配している。
電話が来たときの対応手順
- 出るかどうかは自分で決めてかまわない。出ない場合は、着信の日時・番号・回数をスクリーンショットで残し、留守番電話は消さずに内容をメモする。
- 代行業者に「何時に誰から何回着信があったか」を送る。
- 代行業者から会社へ、本人への直接連絡を控えるよう再度伝えてもらう。
- 同じ番号から何度も続くなら、通知をオフにする。着信拒否にする前に、会社の代表番号や人事の番号まで拒否していないか確認する。
うっかり出てしまったときの言い方
退職の件は〇〇(代行業者名)にお願いしています。今後のご連絡は〇〇へお願いします。失礼します。
退職理由や引き継ぎの話を始められても、この一言で電話を終えて構いません。その場で「考え直します」「出社します」と約束しないことが大切です。通話のあと、日時と話した内容をメモして代行業者に送ります。
LINE・メールが来たときの対応手順
- 返信も削除もせず、トーク画面をスクリーンショットで保存する(送信者名と日時が写るように)。
- 長文でも、事務の質問と、説得・非難の部分を分けて読む。
- 画像をそのまま代行業者に転送し、事務の質問への答えを代行経由で返してもらう。
- 既読を付けたくない場合は、通知のプレビューで内容を確認する方法もある。
- 本人がどうしても返信する場合は、代行業者に文面を見てもらってから送る。
ブロックは通知の負担を減らせますが、書類や給与の連絡を見落とす可能性があります。上司個人のアカウントはブロックし、会社や人事の公式アカウントは通知オフにとどめるなど、相手で分ける方法があります。
無視してよい連絡と、返しておくと安心な連絡
「無視」は、本人が返信しないという意味です。返しておくと安心な連絡も、答えるのは代行業者で構いません。
| 連絡の例 | 区分 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 「一度会って話そう」「戻ってきてほしい」 | 返信不要 | 保存して代行に共有 |
| 「辞めるなら後任を見つけて」 | 返信不要 | 引き継ぎ資料の有無だけ代行経由で伝える |
| 「貸与PC・制服・鍵を返して」 | 返しておくと安心 | 郵送の方法と期限を代行経由で回答 |
| 「書類の送付先はどこか」 | 返しておくと安心 | 送付先の住所を代行経由で伝える |
| 「給与の振込先を確認したい」 | 返しておくと安心 | 口座を変えないかどうかを代行経由で回答 |
| 「損害賠償を請求する」「懲戒にする」 | 本人は返信しない | 原文を保存し、弁護士型や労働相談窓口に相談 |
返しておくと安心な連絡に答えると、退職後の書類や精算が進みやすくなります。法律で期限や義務が決まっているものは次のとおりです。
- 退職証明書:使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由について請求すると、会社は遅滞なく交付しなければなりません(労働基準法22条)。
- 最終給与・積立金など:本人が請求した場合、会社は7日以内に賃金を支払い、本人の権利に属する金品を返還しなければなりません(労働基準法23条)。
- 源泉徴収票:年の途中で退職した場合、退職日以後1か月以内に交付するよう定められています(所得税法226条)。
- 離職票:会社は、資格喪失日(退職日の翌日)の翌日から起算して10日以内に、ハローワークへ資格喪失届を出すことになっています(雇用保険法施行規則7条)。離職票はハローワークが交付し、通常は会社を通じて届きます。失業給付を受ける予定なら、離職票が必要なことを代行経由で会社に伝えておきます。届いた後の確認点は離職票の受け取り方にまとめています。
代行経由で返す内容の文例
本人が返信する場合も、次のように短く事務的にとどめます(編集部作成の例です)。
貸与品のPCと社員証は、〇月〇日までに会社宛てに郵送します。追跡番号は〇〇(代行業者名)経由でお知らせします。
源泉徴収票・離職票・退職証明書は、下記の住所に郵送をお願いします。今後のご連絡は〇〇(代行業者名)へお願いします。
「損害賠償」「懲戒」「家族に連絡する」と言われたら
本人は返信せず、文面を保存して相談先に回します。 会社が強い言葉を使っても、それだけで請求が認められるわけではありません。一方で、個別の事情によっては損害の責任が争点になることもあるため、民間型の代行業者に判断を任せるのは避けます。報酬を得て法律事件の交渉を行えるのは原則として弁護士で(弁護士法72条)、民間型にできるのは意思の伝達までです。
- 「辞めたら違約金〇万円」:あらかじめ違約金や損害賠償額を決める契約は、労働基準法16条で禁止されています。実際に生じた損害を個別に請求される可能性まで消えるわけではないため、請求書が届いたら弁護士に相談します。詳しくは退職代行と損害賠償のリスクで確認できます。
- 「懲戒にする」:処分の通知が届いたら、日付と理由が書かれた書面を保存し、労働相談窓口や弁護士に相談します。
- 「家族に連絡する」:入社時に届けた緊急連絡先に連絡が行くことはあり得ます。家族への連絡を控えてほしいこと、本人は無事であることを、代行業者から会社に伝えてもらいます。
自宅に会社の人が来た場合は、玄関を開けずにインターホン越しに「代行業者に連絡してください」と伝える方法があります。日時と人数を記録し、退去を求めても帰らない、身の危険を感じるといった場合は警察に相談します。
会社の連絡に応じなかったら、転職に影響する?
会社の連絡に応じなかったことが、自動的に転職先へ伝わる仕組みはありません。 前の会社が個人データを本人の同意なく第三者に渡すことは、法令に基づく場合などの例外を除いて制限されています(個人情報保護法27条)。
ただし、採用する側が慎重になる動きはあります。東京商工リサーチの2025年の企業調査(有効回答6,653社)では、退職代行を使った退職がその後の採用に与えた影響について、回答企業431社のうち「影響はない」が74.0%、「応募者の転職回数や職歴をより厳格に見極めるようになった」が20.8%、「リファレンスチェックをするようになった(より厳格化した)」が10.2%でした(東京商工リサーチ)。
面接での退職理由の伝え方や、照会への対応は退職代行は転職に影響する?で確認できます。
利用前に確認したい注意点(会社からの連絡対策)
依頼する前に、次の5点を代行業者に確認しておくと、退職後に会社から連絡が来ても慌てずに済みます。
- 会社に「本人へ直接連絡しないでほしい」と伝えてもらえるか。
- 会社からの連絡に、何日間・何回まで対応してもらえるか。例として、フォーゲル綜合法律事務所はライトプランで会社からの連絡に60日間対応すると案内しています(2026年10月9日に公式サイトで確認)。
- 有給・退職日・未払い賃金で会社と交渉が必要になったとき、その業者が交渉できるか。労働組合は組合員のために使用者と交渉する権限があり(労働組合法6条)、損害賠償の請求や反論は弁護士の領域です。形態ごとの違いは運営形態の違いで比べられます。
- 退職証明書・源泉徴収票・離職票の請求を、代行から会社に伝えてもらえるか。
- 会社が本人に連絡してきたとき、本人から業者へ何で共有すればよいか(LINE・メール・専用フォーム)。
相談前にメモしたい項目
代行業者や相談窓口に連絡する前に、次をメモしておくと説明が短く済みます。
- 会社名、所属、直属の上司と人事担当の名前
- 雇用形態(正社員・契約社員・パートなど)と、契約期間の有無
- 退職を希望する日と、最後に出勤した日
- 有給休暇の残日数
- 貸与品の一覧(PC、社員証、鍵、制服、健康保険の資格確認書類など)と、会社に残っている私物
- 書類の送付先にしたい住所
- 会社に登録している緊急連絡先(誰の番号か)
- 会社から来た連絡の記録(日時・相手・手段・内容)と、その画面の保存場所
- 未払いの残業代や、「損害賠償」などと言われた事実の有無
参考にした公的情報
本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。
- 労働基準法16条・22条・23条 賠償予定の禁止、退職証明書、退職時の金品の返還。
- 民法97条 意思表示は相手方に到達した時から効力を生じる。
- 所得税法226条 源泉徴収票の交付(退職日以後1か月以内)。
- 雇用保険法施行規則7条 資格喪失届の提出(資格喪失日の翌日から起算して10日以内)。
よくある質問
Q.会社から内容証明郵便などの書面が届いたら、受け取るべきですか?
Q.会社に私物が残っています。自分で取りに行く必要がありますか?
Q.「本人と直接話さないと退職は認めない」と言われました。
Q.会社から「退職届は本人が持ってきて」と言われました。郵送ではだめですか?
まとめ
会社からの電話やLINEに出るかどうかは、自分で決めてかまいません。出ない場合も着信とメッセージを保存して代行業者に転送し、貸与品や書類などの事務的な質問には代行経由で答えます。損害賠償などをほのめかす連絡は返信せず、弁護士や労働相談窓口に相談します。
GUIDE 02 / 会社からの連絡・退職時の不安
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