親の介護で退職したいあなたへ|生活費・介護休業・退職後のお金の考え方
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親の介護で退職する前に、生活費はどう比べる?
介護休業や勤務調整で収入を残す案と、退職して介護に時間を充てる案を、同じ家計表で比べます。自分の生活費、親の介護費、家族が負担する額を分けないと、必要な資金を見誤りやすくなります。
本記事は介護と家計の組み立てを中心に扱います。介護休業以外の勤務制度や気持ちの整理は、親の介護と仕事を両立できないときへ分けています。
介護休業と給付:在職中に使う制度を確認する
介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分けて取得できる制度です。対象家族や介護が必要な状態、雇用契約等の条件は厚生労働省の介護休業案内で確認します。
介護休業給付の金額と入金予定
原則として、介護休業開始日前2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上必要です。有期雇用では、休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約(更新される場合は更新後の契約)が満了することが明らかでないことなど、追加要件も確認します。各月の算定条件は厚生労働省Q&A Q2・Q3とハローワークで確認してください。
要件を満たす場合の給付額は、原則として**休業開始時賃金日額×支給日数×67%**です。上限があり、休業中に給与が支払われる場合などは調整されます。手取り給与の67%と単純に置かないでください。
給付は休業前の給与と同じ支払日とは限りません。会社へ給与の有無、申請する時期、本人が用意する資料を聞き、家計には審査前の額を確定収入として入れないようにします。根拠は厚生労働省「介護休業給付Q&A」です。年度で変わる上限額はここでは掲載せず、申請時の窓口で確認します。
退職後も介護休業給付が続くとは考えない
この給付は職場復帰を前提とする休業への給付で、休業当初から退職を予定している人は対象になりません。退職後の毎月の収入として加算せず、休業の案と退職の案で別々に計算してください。
生活費と介護費を分ける家計表
| 財布・負担 | 記入する支出 | 確認する相手 |
|---|---|---|
| 自分の生活 | 家賃、食費、保険、年金、税、返済 | 自分の明細、保険者・自治体 |
| 親の生活・介護 | 住居、食事、医療、介護サービス、日用品 | 親本人、ケアマネジャー等 |
| 介護に伴う自分の追加費用 | 帰省、付き添い交通、二重生活 | 予定表・交通費の実額 |
| 家族間の分担 | 誰がいついくら負担するか | 兄弟姉妹等と合意 |
介護サービスの利用料を、要介護度だけから一律に計算しないでください。利用するサービス、自己負担、食費・居住費等を分けた見積もりを取り、親の年金等で払う部分と自分の援助を分けます。退職後の自分の税保険料は生活費の試算で確認します。
編集部の仮の計算例:退職で増える不足額
自分の生活費が月18万円、介護への援助と移動が月4万円、家族から合意済みの負担が月3万円なら、自分が用意する額は月19万円です。これが3か月続くと57万円になります。これは公的な平均額ではなく、給付や親の収入を重ねて数えないための仮の例です。
親の口座から介護費が出ているのに、同額を自分の生活費へもう一度入れていないかを見ます。逆に、自分が立て替えているのに家族へ精算を頼めていない費用も探してください。
家族分担と相談先を決める順番
- 親の暮らしで毎日必要なことと、週・月単位の用事を書き出す。
- 地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに、利用できる支援と費用を相談する。
- 家族で現地対応、連絡、費用負担を割り振る。
- 自分の仕事を続ける場合に不足する時間を、人事へ相談する。
- 休業・勤務調整・退職の各案で、収入と負担の差を比べる。
家族の「できる限り手伝う」は、家計の数字にはまだできません。例えば「請求書が届いたら月末に精算」など、実行できる約束に置き換えます。介護の必要量が変わったら、退職した本人だけに負担を固定せず見直す日を設けましょう。
退職後の失業給付と入金予定
親の疾病等で扶養や常時の看護が必要になり、家庭の事情が急変して離職した場合は、正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)に当たる可能性があります。該当するかはハローワークが判断するため、経緯と資料を示して離職理由を確認してください(ハローワークの範囲表、2026年10月11日確認)。そのうえで、すぐ就職できる状態かどうかなどの確認も必要です。求職できない期間を基本手当の収入で埋める計画にはせず、受給期間延長等を含む手続きは失業給付の流れで確認してください。
最終給与と退職金は、会社へ支給予定と控除内容を照会します。家族に見せる表では「確定した入金」「制度を確認中」「入金までの手元資金」を分けると、何を待っているのか共有できます。
会社へ直接話せない場合と退職代行の使い方
介護休業を相談する段階と、退職の意思が決まった段階を分けます。退職代行を使うなら「親の介護で勤務の継続が難しい」「希望する退職日」「出勤できない日」を伝え、退職後書類の送付先を確認します。家族の詳しい病歴は、制度申請等で必要な範囲を提出先へ確認して扱います。
休業の申請と退職通知を同じ文章にしてしまうと、どちらを求めているか曖昧になります。会社が制度利用を拒んでいるなどの問題があれば、先に労働局等に相談し、退職通知だけで解消する話かを整理します。
支援に使える費用も家計に含めます。代行への支払いを最終給与や退職金の入金後にできると決めつけず、契約時の支払条件を確かめることが、家族の生活を守る準備になります。
制度・出典の確認日:2026年10月11日。
参考にした公的情報
本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。
- 厚生労働省:介護休業 家族ごとの93日・3回の枠と、介護体制を整える休業の条件。
- 厚生労働省:介護休業給付Q&A 67%の算定、賃金との調整、休業当初から退職予定の場合。
- 厚生労働省:基本手当Q&A 介護退職後の求職可否や受給期間を窓口で確認する根拠。
- ハローワーク:特定受給資格者・特定理由離職者の範囲 親族の看護等で家庭の事情が急変して離職した場合の判断範囲。
弁護士型
退職の連絡に加え、未払い賃金の請求や損害賠償への対応を相談。依頼するプランと受任範囲を確認します。
労働組合型
組合による団体交渉を相談。加入費用と交渉担当を確認します。提携型はサービス会社と組合の役割も確認します。
民間型
退職意思の伝達を依頼。法律上の交渉が必要なら、弁護士や労働組合への相談を検討します。
よくある質問
Q.兄弟が遠方に住んでいる場合、何を分担してもらえばよいですか?
Q.親の預金を生活費の計算へ入れてよいですか?
Q.施設に入居できたらすぐ再就職すべきですか?
Q.介護休業中に退職を考えるようになったら給付はどうなりますか?
まとめ
介護退職の家計は、親の介護費と自分の生活費を分けて試算します。介護休業中と退職後の収入差、給付の対象、家族の費用分担を確認してから継続勤務・休業・退職を比較します。
GUIDE 03 / 生活費・給付・退職金
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