結婚・出産・育児を機に退職したいあなたへ|迷いをほどく進め方

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結婚・出産・育児を機に退職したいあなたへ|迷いをほどく進め方

結婚・出産・育児で辞めるとき、まず何を決める?

最初に決めるのは「どの時点で辞めるか」です。退職日によって、出産手当金・育児休業給付・失業給付を受けられるかが変わるため、結婚・転居、妊娠中、産休・育休中、復帰後のどこで辞めるかを先に決め、給付の条件を確かめてから職場に伝えます。 辞める気持ちが固まっていても、伝える日と退職日を少し調整するだけで、受け取れるお金が変わることがあります。

迷いが「辞めたい気持ち」と「お金の不安」のどちらから来ているかを分けると、決めやすくなります。お金の不安なら、下の表で条件を確かめれば答えが出ます。気持ちの迷いなら、辞めずに働き方を変える選択肢(短時間勤務など)と並べて考えます。

妊娠・出産・育休を理由に退職を迫られている場合は、この記事より先にハラスメントで辞めたいときの整理を読んでください。

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結婚・転居で辞める場合

結婚に伴う住所の変更や、配偶者の勤務先の命令による転勤・出向に伴う別居を避けるために、通勤が不可能または困難になって離職した人は、ハローワークの特定理由離職者の範囲に含まれています(ハローワーク「特定理由離職者の範囲」)。該当すれば、離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上で受給資格を満たし得ます。該当するかはハローワークが判断するため、転居や転勤が分かる書類(配偶者の転勤の辞令の写しなど)を手続きに持参します。

妊娠中・産休中・育休中・復帰後に辞める場合

辞める時点確認すること根拠
妊娠中(産休前)退職日に産前の期間に入っていなければ、出産手当金を退職後に受けられない。出産で働けない間は失業給付を受けられないため、受給期間の延長を申請する健康保険法104条、ハローワーク「基本手当について」
産休中条件を満たせば、出産手当金を退職後も受けられる協会けんぽ「出産手当金」
育休中育休の当初から退職を予定していると育児休業給付の対象外。受給資格の確認後に退職することになった場合は、退職日まで対象厚生労働省「育児休業等給付について」Q50
復帰後保育先が決まり、すぐ働ける状態なら失業給付を申請できる。保育所の利用で通勤が困難になった離職は、特定理由離職者と判断される場合があるハローワーク(同上)

職場へ伝える前の整理

伝える前に、次の6つを紙に書き出します。

  1. 希望する退職日(給付の条件を満たす日か)
  2. 最終出勤日と、それまでに使う有給の日数
  3. 産休・育休の予定(取るか、取らずに辞めるか)
  4. 配偶者の働き方と、退職後に入る健康保険(自分で加入するか、扶養に入るか)
  5. 保育先の見通し
  6. 会社にどこまで事情を話すか

退職の理由は、詳しく説明しなくてかまいません。伝え方の例(編集部作成):

出産後の生活を考え、〇年〇月〇日付で退職したいと考えています。産前休業に入る〇月〇日までに引き継ぎを終えるよう進めます。

産休・育休や有給の確認

辞める前に、使える休みを確かめます。辞めずに続ける道を考えるときの材料にもなります。

制度内容根拠
産前休業出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から、請求すれば休める労働基準法65条
産後休業産後8週間は就業させてはならない(6週間後、本人が請求し医師が認めた業務は可)同65条
育児休業原則として子が1歳になるまで。期間の定めのある雇用は、子が1歳6か月になるまでに契約の満了が明らかでないことが条件育児・介護休業法5条
短時間勤務3歳未満の子を育てる労働者は、申し出により所定労働時間を短くできる同23条
有給休暇退職日までに残日数を使える。会社が時季を変えられるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られる労働基準法39条

会社独自の上乗せや、対象外となる条件があるため、就業規則と人事に確認します。

退職後のお金:給付ごとの条件

  1. 出産手当金:退職日(資格喪失日の前日)までに継続して1年以上被保険者(任意継続・共済組合の期間を除く)で、退職日に出産手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も受けられます。退職日に出勤すると、退職後の出産手当金は受けられません(協会けんぽ「出産手当金」)。
  2. 出産育児一時金:退職日まで継続して1年以上被保険者だった人(任意継続・共済組合の期間を除く)が、資格を失った日から6か月以内に出産したときは、退職前に加入していた健康保険から受けられます(健康保険法106条)。退職後に家族の扶養に入る場合は、どちらの健康保険に申請するかを両方の加入先に確認します。
  3. 育児休業給付:育休の当初から退職を予定していれば対象外です。受給資格の確認後に退職することになった場合は、退職日まで支給されます(厚生労働省Q&A Q50)。
  4. 失業給付(基本手当):妊娠・出産・育児ですぐに就職できない間は受けられません。引き続き30日以上働けないときは受給期間を延長でき、延長できる期間は最長3年です(ハローワーク「基本手当について」)。妊娠・出産・育児で離職して受給期間の延長を受けた人は、特定理由離職者の範囲に含まれます。

失業給付の手続きの流れは失業保険を受給する流れで確認できます。

退職後に困りやすい手続きと書類

手続き選択肢・期限手続き先
健康保険任意継続(退職日までに継続2か月以上の加入、退職日の翌日から20日以内)、国民健康保険、家族の扶養協会けんぽ支部、市区町村、家族の勤務先
年金配偶者の扶養に入るなら国民年金第3号、入らないなら第1号第3号は配偶者の勤務先を通して届け出る
書類離職票、源泉徴収票、健康保険の資格を失ったことが分かる書類会社から郵送してもらう

健康保険の選択肢は協会けんぽ「任意継続」、年金は日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」で確認できます。切り替えの順番は退職後の健康保険の切り替えにまとめています。

退職代行を使う場合の注意点と選び方

つわりや産後の体調で、会社とやり取りする余力がないときは、退職の連絡を退職代行に任せられます。結婚・出産・育児の退職で特に気をつけるのは、退職日を自分で決めてから依頼することです。

  • 出産手当金を退職後も受けたいなら、退職日を産前の期間内に置き、その日は出勤しないことを依頼先に伝える。
  • 育休中なら、受給中の育児休業給付と退職日の関係を、依頼前にハローワークで確かめる。
  • 離職票・源泉徴収票・健康保険の書類の送付先(転居先の住所)を伝える。
  • 貸与品を郵送で返す方法を決める。

形態は、伝えるだけなら民間型、退職日や有給の調整が必要なら労働組合型、退職を迫られた・解雇されたなど法的に争う必要があるなら弁護士型を選びます。

転職時の伝え方

いつか再就職するとき、面接では退職理由を事実で短く伝え、いまの働ける条件を添えます。

例(編集部作成):

出産を機に退職し、〇年間子育てに専念しました。現在は保育園が決まり、平日9時から17時まで勤務できます。

「また辞めるのでは」と思われないか不安なら、保育先、急な休みのときに頼れる家族、働ける時間帯を具体的に言えるようにしておきます。

参考にした公的情報

本記事では、制度・法令に関わる説明について以下の一次情報を参照しています。個別の判断が必要な場合は、各窓口または専門家へ確認してください。

弁護士型

退職の連絡に加え、未払い賃金の請求や損害賠償への対応を相談。依頼するプランと受任範囲を確認します。

労働組合型

組合による団体交渉を相談。加入費用と交渉担当を確認します。提携型はサービス会社と組合の役割も確認します。

民間型

退職意思の伝達を依頼。法律上の交渉が必要なら、弁護士や労働組合への相談を検討します。

掲載サービスの各運営形態は価格帯が重なっているため、料金だけでなく必要な対応範囲を比べることが大切です。報酬を得て法律事務を扱う範囲には制限があり、非弁護士による法律事務の取扱いは弁護士法で規制されています(e-Gov法令検索:弁護士法72条)。

よくある質問

Q.妊娠中で今の仕事がきついのですが、辞める前に仕事を軽くしてもらうことはできますか?
A.妊娠中の女性が請求した場合、会社は他の軽易な業務に転換させなければならないとされています(労働基準法65条3項)。どの業務が軽いかは職場によるため、つらい作業(立ち仕事、重い物を持つ、夜遅い勤務など)を具体的に挙げて書面で請求します。軽い業務に移っても続けるのが難しければ、そこで退職を考えても遅くありません。
Q.出産後しばらく働けません。失業給付の受給期間の延長は、いつまでに申請すればいいですか?
A.ハローワークは、引き続き30日以上働けなくなった日の翌日以降、早めに申請するのを原則としつつ、延長後の受給期間の最後の日までなら申請できるとしています。申請先は住所地のハローワークで、代理人や郵送でも手続きできます。
Q.育休中に退職することになったら、受け取った育児休業給付を返す必要はありますか?
A.厚生労働省のQ&Aでは、育児休業給付の受給資格を確認した時点で退職が予定されていた場合を除き、それまでに受け取った給付を返す必要はないとされています。

まとめ

結婚・出産・育児で辞めるときは、退職日によって出産手当金・育児休業給付・失業給付を受けられるかが変わります。結婚・転居、妊娠中、産休・育休中、復帰後のどの時点で辞めるかを先に決め、給付の条件を確かめてから職場に伝えます。

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